抹茶とは緑茶の一種です。碾茶(てんちゃ)を石臼で挽いて作られる抹茶は、
お茶の中でも茶葉をそのままいただけるのが特徴です。
茶の湯として茶道で用いられるほか、お茶として飲む以外にもお菓子や料理など幅広く活用されています。鮮やかな緑色とふくよかな香りから漂う、日本の伝統の味を感じてください。
「抹茶と言えば…苦い」という印象かもしれませんが、多少の苦味の奥に旨味・甘みを感じることができます。飲みほした後にはふんわりとした爽やかさが口の中に拡がります。
昔は、薬として重宝されていたとされる抹茶。ビタミンやカテキンなど、色々な成分が含まれており、身体にいい飲み物なのです。また、抹茶に含まれる豊富な成分には下記のような効果があると言われています。
アミノ酸 | フッ素 |
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旨み成分であり、中でもテアニンが多く含まれています。脳神経のはたらきを活発にします。 | 歯磨き剤に入っている成分と同じで、虫歯を予防します。 |
フラボノイド・ミネラル | ビタミンA(β-カロテン) |
フラボノイドは口臭の予防、ミネラルは新陳代謝を活発にします。 | 肌に水分を与え、呼吸・消化器官を丈夫にします。 |
ビタミン C | ビタミン E |
疲れをとったり、風邪を予防したり、肌を白くするなどのはたらきがあります。 | 老化を防ぎます。 |
ビタミン B1 | ビタミン B2 |
糖分をエネルギーに変えます。 | 成長を活発にします。 |
カテキン | カフェイン |
渋み成分でありタンニンとも言います。殺菌や腸のはたらきを整える作用があり、食中毒を防いだり、ガンや生活習慣の予防に効果があります。 ★高血圧抑制 ★ガン予防 ★抗酸化作用 ★脂肪燃焼促進作用 |
尿を出す作用や気分をリフレッシュさせる効果があります。 |
粉末緑茶は、お茶の抽出成分を粉末状に加工したもので、お湯を入れることで溶けます。逆に、抹茶は茶葉を石臼で非常に細かく粉末にしたもので、湯をかけても溶けず、かき混ぜた後しばらくすると沈殿します。その為、粉末緑茶は水に溶けやすい成分しか摂取できないことに対し、抹茶は茶葉の良質で豊富な栄養をまるごと体内に取り入れることができるのです。
抹茶には、濃茶用と薄茶用があります。濃茶は色も味も濃厚で、苦味や渋味の強いものは適しません。その為、濃茶用の方が少しお値段が高めです。同じように見える抹茶ですが、そこに含まれる旨味の量も一つひとつ異なります。相対的には、旨味・甘みの多い抹茶の方がお値段が高いとされます。ただ、お茶それぞれに個性がありますので、お選びの際は飲み比べて、自分に合ったものを探していくのもお茶を味わうよさです。
抹茶用のお茶は、「覆い下栽培」といって、新芽が芽吹く頃に茶の木の上に、屋根を設け、日蔭のもとで育てられます。これは、茶葉に日光があたると渋み・苦み成分が増すため、日光を遮って出来るだけ苦味が少なく、甘みの多いお茶を作るためです。
4月下旬から5月下旬頃、その年初めての茶摘の季節がやってきます。茶葉の中に香りの成分やうまみが蓄えられた茶葉を覆いの下で、手摘みで丁寧に収穫していきます。一番茶(新茶)、6月下旬から7月上旬が二番茶、7月中旬から8月下旬が三番茶です。
生葉の鮮度が落ちないうちに、収穫された茶葉をまず蒸し、発酵を止めます。その後、乾燥させながら茶葉を揉みこみ旨味が出るように仕上げます。写真は揉みこみと乾燥が完了した「粗茶」と呼ばれるお茶です。
粗茶を細かく裁断し、茎や葉脈などを取り除き、葉肉の部分だけを取り出します。取りだされたお茶を「碾茶」といいます。
碾茶を石臼で挽いて細かい粉末にして抹茶のできあがり。
準備するもの:抹茶茶碗、茶筅、茶杓
【ポイント】
●抹茶は一度茶こしでふるい、ダマをなくしてから使います。
●茶碗と茶筅は温めておきます。
茶碗にお湯を注ぎ、あらかじめ茶碗を温めておきます。茶碗を両手で抱えるように持ち、茶碗全体を温めます。温まれば、水分が残らないように、ふきんで丁寧にふき取ります。 | |
茶碗に抹茶を茶杓2杯分(約2g)入れます。 | |
お湯100~130ccを茶碗に注ぎます。お好みに合わせてお湯の量を調整下さい。 | |
茶筅でお湯全体に抹茶をなじませるように溶くようにしてから、茶筅を勢いよく前後に振り、十分に泡立てます。 | |
細かい泡が全体に立ってきたら、茶筅の先で表面の泡を細かくしていきます。茶筅を止めて平仮名の「の」の字を描くように茶筅を引きあげると、クリーミーな泡が表面を包み、美しく仕上がります。 |
抹茶をいただくというと、少し難しそうな印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。抹茶を気軽に頂いていただけるよう、ちょっとしたマナーをご紹介。今も昔も変らない、思いやりの心でお茶を頂いてみては?
抹茶茶碗のふちに右手を添えて少し持ち上げ、左手を底に添えて抹茶茶碗を支えます。このとき茶碗の正面は自分に向いています。いただきますの気持ちを込めて、茶碗を少し上に捧げ、頭を下げ、入れてくださった方へ感謝します。 | |
茶碗の正面を飲み口からはずすため、右手で茶碗を時計まわりに2回まわします。 | |
静かに口に運び、飲みやすく、味わいやすい量を目安に分けていただきます。 | |
飲み終えると、右手の人差し指と親指で飲み口を軽くふきます。ぬぐった指は、ハンカチ等でふいて下さい。右手で茶碗のふちをつかむようにして、反時計まわりに2回まわし、正面に戻します。茶碗を観賞し、置きます。 |
お菓子とお茶が一緒に出された場合は、必ずお菓子を先に食べてしまいましょう。完食してからお茶を飲むのがマナー。食べて飲んで、食べて飲んでは無作法です。また、お茶に含まれるカテキンやカフェインは刺激性があり、空腹の状態で飲むと胃を荒らすこともあります。何か食べてからお茶を飲むというのは健康的にも理に適っているのです。
抹茶をいただくとき、茶碗を回します。これは、茶碗を出された時、茶碗の正面が自分の方へ向けて出されていますので、一番良い所から飲むのは申し訳ないという『謙遜』『遠慮』の気持ちを表して、「茶碗の正面を横へずらす」という意味で回します。2手程度で時計回りに回すようにずらすと正面が自分の左手になりますので、そこから抹茶をいただきます。
自分に出された茶碗は、今日この日のために選んでもらった物です。どんな茶碗を出してもらったのか鑑賞し、「どこの焼物なのか?」「どんな絵が描かれているのか?」など尋ねることで出した側の方も選んだ甲斐がありますよね。そういうコミュニケーションのひとつとして茶碗を鑑賞し、会話を弾ませてみてはいかがでしょうか?
抹茶は粉末状になっており、他のお茶(煎茶など)と比べてても非常に傷みやすいものです。湿気に弱く、他の物の臭いを非常に吸い易いため風味が落ちやすいので、保存は冷蔵庫で行い、冷蔵庫内の他の臭いを吸わせないように、出来るだけ密封しておくことが重要です。
(1)開き口をテープ等で止める
(2)密封袋に入れ冷蔵庫へ
(3)10日程度で飲みきる
●高血圧な方にもおすすめ!塩分カット
●風味が豊かになるので、天ぷらはもちろん、おにぎりなど様々な料理に活用しやすい
●抹茶の旨みが味のアクセントに!
抹茶を入れて、いつもと違うホットケーキに!
【材料】
・残った抹茶
・ホットケーキミックス(200g)
・卵(1個)
・牛乳(140cc)
(1)ボウルに抹茶以外の材料を全て加え、混ぜます。ある程度混ざったところに、抹茶を入れて、さらによく混ぜます。
(2)油を引いて温まったフライパンに、お玉1杯分の生地を流しいれます。まわりにぽつぽつと穴が空いてきたら、ひっくり返して裏面も焼きます。
(1)大き目のカップに抹茶2g(1パック)を入れ、砂糖大さじ1と合わせてよく混ぜる
(2)牛乳100ccをレンジで1分加熱する
(3)(1)に(2)の牛乳を少しずつ入れながら混ぜる
(4)よく混ざったら好きなカップに移してできあがり!
(生クリームを上に浮かべ、さらに抹茶を上に少量振りかけるとさらに味がひきたちます)
【材料】
・抹茶2g×4P
・クリームチーズ200g
・マシュマロ 90g
・牛乳 50mlと大さじ2
・カステラ 125g
(1)耐熱容器にマシュマロを入れてラップをし、レンジ(600W)で30秒加熱する
(2)(1)に牛乳大さじ2を加えながら泡だて器で混ぜる
(3)(2)にクリームチーズ、牛乳50mlを加え、ゴムベラでよくかき混ぜる
(4)容器にカステラを敷き詰め、少量のお湯で解いた抹茶をカステラに染み込ませる
(5)カステラ上に(3)を載せてラップをし、冷蔵庫で2時間以上冷やす
(6)表面に抹茶2P分を振りかけてコーティング。全体に綺麗にまぶして完成!
(クリームチーズをマスカルポーネに、カステラをスポンジケーキに変えてもOK。ブランデーを加えるとより大人向けの味に。)
市販のあんこもちやお団子に抹茶1Pを振りかけるだけ。
抹茶の渋みが甘いあんこと合わさって甘さをさらに引き立たせます。
いつもとちょっと違う味わい方はいかがですか。